双方の新設計画で協力へ 英国と韓国が原子力連携強化

英国と韓国の両政府は7日に共同声明を発表し、原子力分野における両国の連携を強化するとともに、英国と韓国双方の民生用原子力プロジェクトで開発・建設・操業について長期的に協力していくことで合意した。高経年化した既存炉をリプレースする新設計画で潤沢な投資を呼び込みたい英国と、同計画への参入を欧州向け原子炉輸出の足がかりとしたい韓国の思惑が一致したもので、同新設計画の新たな展開が注目される。

この共同声明は、エリザベス女王の招きで韓国の朴槿恵大統領が5日から7日まで同国を訪問していた(=写真)のを機に出されており、原子力連携は両国間の商取引を促進するために様々な分野で取り上げた数多くの協力強化項目の1つ。原子力研究開発における両国のパートナーシップ拡大を目的に、来年2月にも環境保全のための年次政策フォーラム・第1回会合をソウルで開催するとした。また、両国のみならず第三国における民生用原子力プロジェクトでも両国企業の長期的な協力を促進するほか、第三国では建設とインフラの分野で両国はさらなるビジネス・チャンスを探っていくとしている。

両国はこれに加えて気候変動への取り組みに関する共同声明も発表しており、その中で「原子力は安全で確実かつ豊かなエネルギーを提供するなど、将来の低炭素経済に向けたエネルギー・ミックスの中で主要な役割を果たす」と明言した。両国は1991年に原子力発電と安全性、および廃止措置と放射性廃棄物管理の研究分野で結んだ二国間協力協定に基づいて協力を強化・拡大していく方針を明示。両国の産業界が原子力平和利用プログラムに参加すれば双方が恩恵を被ることができると認識し、両国が今回、民生用原子力発電プログラムと先進的な廃止措置技術分野においても協力覚書に調印したことを歓迎している。

このほか、英国の民間企業・規制改革省(BIS)は具体的に両国間で結ばれた商取引に関する説明資料を公表。関連業界における顧客の基準遵守状況について技術監査サービスを提供する英国のロイド・レジスター社が韓国水力・原子力会社(KHNP)から650万ポンドの契約を獲得し、韓国の原子力発電施設について独自の確証評価を行うことになった。民生分野で韓国の原子力産業の安全性を関係者や一般市民に保証し、安全分野における協力を進めていく上で、第三者的立場からの評価は重要との認識に基づいて結ばれたもの。KHNP社のQA、機器の性能保証文書偽造等の防止プログラムを強化する計画だ。


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