仏アレバ社と正式契約 ブラジルのアングラ3完成計画

仏アレバ社は7日、ブラジルのアングラ原子力発電所3号機の完成計画を支援するため、同国連邦政府が管理するエレトロブラス電力傘下のエレトロ・ニュークリア社と12億5000万ユーロの契約を正式に締結したと発表した。最初に着工してから30数年を経て、同炉は2018年5月に発電を開始する予定だ。

ブラジルでは現在、アングラ原発の1、2号機が唯一稼働中。3号機の建設工事では1976年に独シーメンス社に130万kW級PWRの機器が発注されたが、景気の後退等により作業は着工から2年後の86年に一時中断した。その後の06年、政府は国内のエネルギー需要増に対応し、エネルギー構成要素のバランスを取るために3号機の建設作業再開を決定。エレトロ社は11年、同炉を140万kW級のPWRとするため、アレバ社から一部の機器を購入することで同社と協力合意していた。

アレバ社が提供するのは、1次冷却系の機器やエンジニアリング・サービス、および次世代型のデジタル式計装制御系などで、機器の据え付けや起動時の作業の監視支援も行う。同社としては3号機の設計を既存の稼働中原子炉に最新の改良を盛り込んだものにする考えで、安全性に関しては特に、国際原子力機関の安全指針はもちろん、福島事故後にブラジルの安全規制当局が設定した基準にも対応させる方針。具体的には、冷却水タンクと電力供給システムを追加するとともに、水素再結合器、フィルター付きベント・システムを設置するとしている。

エレトロ社はこのほか、完成計画の残りの電気機器についても、年末までに発注先を決定する計画だと伝えられている。


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