コマンチェ増設計画を保留に 米ルミナント社

米テキサス州のメディアが伝えたところによると、州内でコマンチェピーク原子力発電所3、4号機の増設計画を進めていたルミナント社は8日、両炉の建設・運転一括認可(COL)審査の一時保留を要請する書簡を米原子力規制委員会(NRC)に送付した。

同計画では三菱重工(MHI)製・US―APWRを採用予定であったが、同日にMHIは2014年の事業計画について、米国法人であるMNES社の優先事業を米国内の既存炉向け機器やサービスにシフトする方針を発表。これにともない、MNESの体制も再編するほか、親会社であるMHIの資源と活動も日本国内の既存炉の再稼働を保証していくために振り向けるとしている。

MHIはまた、US―APWRを米国の標準設計とするためにMNESが行ってきたNRCからの認証(DC)取得活動は継続すると明言しているが、審査の完了スケジュールについては当初予定から数年程度延期されることを示唆。建設計画全体を評価するCOL審査において、原子炉部分の設計と安全解析はDCの証明範囲が参照されることから、ルミナント社は同審査の一時保留を決めたと見られている。

ルミナント社はこのほか、テキサス州北部で豊富に存在する天然ガスのブームが州内の電力価格を低下させているという実情をMNES社とともに認識していると述べた模様。同社の親会社のエナジー・フューチャー・ホールディングス社が10月の一時期、破産申請を検討していたという事情も背景にあるが、同社としてはCOL申請そのものを取り下げる考えは無く、状況が変われば決定を再考する可能性を表明したと伝えられている。


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