[原子力産業新聞] 2013年11月14日 第2695号 ＜4面＞

紫外線、Ｎａ中の透過を発見　原子力機構など

日本原子力研究開発機構（原子力機構）は１日、大阪大学、宮崎大学との共同研究で、金属の一種であるナトリウム中を紫外線が透過することを、世界で初めて明らかにしたと発表した。

技術的観点からは、光を一切通さないと考えられてきたナトリウムの中で起こる種々の現象が、紫外線により観測できる可能性を示した今回の研究成果は、ナトリウムを使用する産業利用施設等における保守管理に必要なモニター装置開発につながる技術として期待されるという。一般に金属は紫外線を吸収するため、実際、様々な金属に対する紫外線の透過率が調べられ、数ミリ厚の金属を紫外線が透過する報告はない。一方、まだ十分に紫外線透過率が調べられていない金属もあり、そのひとつがナトリウムだった。ナトリウムは空気中のごく僅かな水分と反応して性質が変わり、透過率が損なわれるなどの性質から正確な透過率を測定するための試料の作成が極めて難しかった。

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