柔軟な遮へい材開発 日本マタイなどが 一般住宅への普及に重点

日本マタイはレンゴーと共同で、軽量かつ柔軟性に富んだフレキシブルな遮蔽材(=写真)を開発した。すでに今年2月には福島市内の保育施設がこの遮へいシートを採用した屋内運動施設を完成させるなど施工実績もあり、今後一般の住宅の遮へいなどに普及展開していく方針だ。

同シートは外部からの放射線を低減したい部屋用の遮蔽材や、除染時に発生する汚染廃棄物の仮置場での保管用カバーシートなど、幅広い用途での使用が可能。柔軟な素材である熱可塑性エラストマーに無機物を分散させた放射線遮蔽材で、フレキシブルかつ取り扱いが良好な製品であることが大きな特徴となっている。

日本マタイの樹脂シート加工技術など、これまでの製品開発技術をベースにしている。遮へい性能については実際に民家を借りて性能を検証した。2階の部屋(6畳)の室内で床面と壁面(床高0.5mまで)に厚さ15mmの厚みでこのシートを設置した場合、0.5mの高さでは1時間あたりの放射線量の平均値が設置前と比較し約30%低減するなどの効果を確認した。たとえば、子ども部屋に施工し、不必要な被ばくを低減でき、心理面の安心という効果も考えられることから、一般の住宅への施工等に重点をおいて遮へいシートの普及をはかる考えだ。

枚数を重ねて遮へい率を高められるなど、柔軟な用途と確かな性能に注目が集まりそうだ。


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