汚染水問題に追加対策 政府・専門委 6項目に整理 広域的な遮水措置など

福島第一原子力発電所事故炉の汚染水に関する政府の専門委員会は3日、予防的・重層的な汚染水処理対策を概ね取りまとめた。9月の原子力災害対策本部による基本方針決定を受け、汚染水処理対策の「全体像」作りに向け検討を進めてきたもので、大規模津波襲来に備えた防潮堤など、6項目の追加対策をあげている。

今回取りまとめた対策では、これまでの問題が顕在化してから手立てを打つという「モグラたたき」的対応への反省に立ち、「潜在的なリスクの洗い出しに基づき、予防的・重層的な対策をとりまとめリスクを最小化すること」を目標に掲げ、地下水挙動把握、リスク評価に関する各サブグループによる検証、国際廃炉研究開発機構を通じた技術情報の公募なども踏まえ、追加対策を整理した。

重層的対策では、地下水流入を抑制する広域的フェーシング(表面遮水)、タンクせきのかさ上げ・二重化、土壌中のストロンチウムを捕集する地中フィルターなど、また、予防的対策では、防潮堤、汚染水移送ループの縮小などが、追加策としてあげられている。

対策は、実施スケジュールも示しており、順調なら、概ね20年度末には、かなりのリスク低減が図られるとしているが、タンク容量不足に加え、大量のトリチウム水貯蔵に伴うリスクが残存、今後の課題の1つとしている。


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