中国がルーマニアに意向表明 チェルナボーダ計画に出資へ

中国広核集団有限公司(CGN)は11月25日、ルーマニアのチェルナボーダ原子力発電所3、4号機完成計画について同国の国営原子力発電会社(SNN)と意向表明書(LOI)に調印したと発表した。詳細は明らかにしていないが、CGNはすでに2011年10月、同完成計画への投資に関心を表明し、SNNと守秘義務協定を締結。同計画では複数の外国企業が出資を取りやめるなど暗礁に乗り上げていたが、CGNの出資意思いかんにより改めて動き出す可能性が高まった。

今回のLOIは、中国の李克強首相がルーマニアの首都ブカレストを訪問したのに合わせて結ばれた両国間における複数分野の協力合意の1つ。両国首相の立ち合いの下でCGNの賀禹・会長兼最高経営責任者(CEO)とSNNのD.ルラヘ総裁が調印したが、これに先立ち、ルーマニア政府の原子力担当部門と中国の国家能源局は原子力平和利用に関する両国間の協力覚書(MOU)にも調印している。

チャウシェスク政権の崩壊にともない91年に中断した3、4号機の建設作業について、SNNは08年に新たな管理会社となるエネルゴニュークリアを設立。出力72万kWの加圧重水炉「CANDU6」2基を完成させる計画だった。

しかし、イタリア電力公社や鉄鋼メーカーのアルセロール・ミタル社など出資を約束していた6社のうち、仏国のGDFスエズ社、チェコ電力、独RWE社、スペインのイベルドローラ社がその後の経済不況により11年に撤退。これによりSNN社の出資比率が8割を超えることになり、ルーマニア政府は共同出資が可能な新たな投資家を募集していた。

CGNは原子力に関する同国との複数の合意について、「英国のヒンクリーポイントC計画に対する投資参加に向け、10月に英国と協力覚書を結んで以来の新たな一歩」と形容。中国が国際化という目標に向けて進んでいる証拠だと評価した。


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