カラチ2、3号機の着工式 パキスタンが中国の協力で建設

パキスタンのN.シャリーフ首相は11月26日、合計出力220万kWという同国最大の民生用原子力発電所建設計画の着工式を、同国最大の商業都市カラチで開催した(=写真)。中国の支援により、既存のカラチ原子力発電所のU期工事として100万kW級の2、3号機(K―2およびK―3)を6年計画で建設するというもの。これにより同国で慢性的な電力不足を根本的に解消したい考えだ。

これは同国政府による一連の電源開発プロジェクトの一部であり、風力や火力、石炭火力でも同様に大規模な設備の新設を計画。政府は「原子力ビジョン2050」に基づいて、50年までに約4000万kWの原子力設備容量構築を想定しており、シャリーフ首相は「今後数年間に同構想実現のための堅固な基盤が築かれることになる」と明言している。

同国ではすでに、カナダから導入した13.7万kWの重水炉が南部のカラチで、また、中国核工業集団公司(CNNC)の資金援助と技術支援協力を受けて北部のチャシュマに建設した1、2号機(各30万kW級PWR)が稼働中。3、4号機(各30万kW級PWR)の建設工事もCNNC傘下の上海核工程研究設計院(SNERDI)の主導で2011年に開始されており、同首相は新たな原子力プロジェクトに着手することは、パキスタンを頻繁な輪番停電から解放するという目標に向けた、国のエネルギー史における輝かしい第一歩になると強調した。

採用設計については、チャシュマの4基(CP300)に改良を加えたACP1000になるとの報道があるが、正式発表はされていない。

同首相はこのほか、カラチのサイトについて「大規模な港湾都市であり、計り知れないポテンシャルがある」と説明。カラチをドバイや香港などのような産業・港湾ハブ化することを切望していることから、同市の政府や市民と協力してカラチの経済活動を発展させるプロジェクトを進めていくとの抱負を述べた。


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