原子力科学技術分野で覚書 中国とサウジ

中国核工業集団公司(CNNC)は11月27日、サウジアラビアの国営企業と原子力科学技術分野における協力覚書に調印したと発表した。2032年までに16基の原子炉建設を計画するサウジに対し、すでに政府間の原子力協力協定を結んだ仏国やアルゼンチン、韓国などと並んで、中国も積極的に原子炉輸出を狙っていくと見られている。

サウジと中国の二国間原子力協力協定は昨年1月に締結されており、今回はCNNCの銭智民・総経理がサウジの国立研究開発機関「アブドゥルアジズ王立科学技術都市(KACST)」を訪問したのを機に、サウジ国営の技術開発投資会社(TAQNIA)と覚書を結んだもの。今後は共同作業グループを設置して、原子炉の立地や原子力技術に関する助言、人材の養成と言った多面的な分野で中国がサウジに協力支援していくことになる。

サウジの計画に対してはこれまでに、東芝がABWRやAP1000を提案していく目的で米国のエクセロン・ニュークリア・パートナー(ENP)社、ウェスチングハウス社との連携協定に調印。GE日立ニュークリア・エナジー(GEH)社もENP社と同様の覚書を締結し、サウジにGEH社版ABWRやESBWR(高経済性・単純化BWR)を供給する考えと伝えられている。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで