エネルギー基本計画案 「原子力は重要電源」明記 使用済み燃料対策強化 高レベル問題、国が前面に

経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(分科会長=三村明夫・新日鐵住金相談役)は6日、新たなエネルギー基本計画の原案を取りまとめた。冒頭、福島第一原子力発電所事故を真摯に反省し、福島の再生に全力を挙げることが、エネルギー政策再構築の出発点と述べた上で、原子力については、「安定供給、コスト削減、温暖化対策の観点から、安全性の確保を大前提に引き続き活用していく重要なベース電源」とされた。委員からの意見を集約し、13日にも成案を得る運びだ。

原子力、再生可能エネルギーの各エネルギー源について、位置付けと政策の方向性を示す一方、電源構成比率など、数値目標は掲げていない。今後、電力システム改革の推進、国際的なエネルギー供給構造の変化を見据え、18〜20年を集中改革実施期間として、政策の方向を定め、エネルギーミックスについては、各エネルギー源の位置付けを踏まえ、原子力発電の再稼働、再生可能エネルギーの導入などを見極めて、先行きがある程度見通せる段階で速やかに示す方針。

原子力発電については、安全性の確保を大前提に、エネルギー需給構造の安定性を支える重要なベース電源として引き続き活用していくが、一方で、省エネ・再生可能エネの導入や、火力発電の効率化などにより、可能な限り原発依存度を低減させることとしている。また、規制委員会で安全性が確認された原子力発電所の再稼働についても明記された。

さらに、「対策を先送りにせず、着実に進める取組」として、使用済み燃料対策の抜本的強化、核燃料サイクル政策推進に関する独立した項目を設け、国が前面に立った高レベル放射性廃棄物最終処分の取組を第一に掲げ、新たな中間貯蔵施設の設置や乾式貯蔵施設の建設・活用、国際協力による高速炉開発などを述べている。


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