燃料サイクル巡り議論 原子力機構 国際フォーラム開催日本原子力研究開発機構は3、4日、時事通信ホール(東京・中央区)で、核燃料サイクルに係る核不拡散・核セキュリティの確保について議論する国際フォーラムを開催した(=写真)。 日本国際問題研究所特別研究員の遠藤哲也氏を座長とする初日のパネル討論で、IAEA東京事務所長のディヴィス・ハート氏は、福島第一原子力発電所事故後の日本の保障措置活動に対する協力姿勢を評価した。また、ブルッキングス研究所上席研究員のロバート・アインホーン氏は、イランや北朝鮮の核開発を巡る脅威に触れた上で、厳格な輸出管理の確保で、在日フランス大使館原子力参事官のクリストフ・グゼリ氏は、最近のトルコによる原子力開発の躍進ぶりに言及しながら、新興国に対する核セキュリティ分野でのサポートで、それぞれ技術先進国として日本の貢献に期待するなどした。 核燃料サイクルのオプションでは、直接処分の「オープンサイクル」と、再処理を行う「クローズドサイクル」とで、それぞれの課題と対応方策について意見交換を行った上で、核不拡散・核セキュリティの観点から、プルトニウム取扱いに関する議論につなげた。その中で、日本の核セキュリティに対する国際的評価は低いなどと遠藤氏が問題提起したのを受け、京都大学原子炉実験所教授の山名元氏は、ウランとプルトニウムを混合物として製品化している国内再処理のプロセスについて述べた上で、IAEAによる確実な検証とともに、超長期の視点でのオプションの取り方、プルトニウム管理を議論する必要を主張した。 さらに、アインホーン氏が、六ヶ所再処理工場稼働時のMOX燃料バランスについて問うと、山名氏は、「コントロールの範囲にある」とする一方、再稼働の遅れ、プルサーマルの地元合意、使用済み燃料貯蔵などを現時点の課題としてあげた。 お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで |