冷却水の取水裁判で勝訴 米国のブルーキャッスル原発構想米中西部のユタ州で、同州初の原発となるブルーキャッスル発電所の建設を検討しているブルー・キャッスル・ホールディング(BCH)社は2日、冷却水用の水資源利用権を巡る裁判で同社の主張を認める判決が下ったことを明らかにした。 BCH社は2基で最大300万kWの原子力設備を建設するという同計画において、事前サイト許可(ESP)の申請に先立つ環境影響声明書(EIS)の作成準備作業中。米国でも有数の乾燥地帯であるユタ州では、貴重な水資源の使用権を管理する部門が州政府内にあり、その担当官は昨年1月、サイト候補地近隣を流れるグリーン川からの取水を許可する判断を下した。しかし、これに反対する環境保護団体がBCH社および州の水資源保護地区を相手取り、再考を求める訴訟を同年3月に起こしていたもの。 今回、ユタ州第7地区法廷の裁判官は「建設計画が既存の水使用権を損なったり、水資源の一層有益な利用を妨げるものではないと信じられる根拠を見出した」と明言。州政府担当官による当初の取水承認は州法に合致するとともに、熟慮の末に出された決定であるとし、これを支持する判断を下した。 BCH社も、同プロジェクトの実現には水資源の利用が不可欠である点から、「建設リスクを大幅に減じる裁定だ」と歓迎。将来的に参加する電気事業者にも、原発新設に経済的な水資源が保証されるとの確証を与える結果になったとしている。 同社によると、ブルーキャッスル原発は2024年の営業運転開始を予定しており、発電コストが安定した大型ベースロード電源としてユタ地方に恩恵をもたらす。低価格の天然ガスは、確かにユタ州の発電ミックスに競争力のある燃料オプションを加えたが、将来的にもそうであるかは不透明であり、州内の廉価で安定した電力価格体制を脅かす可能性がある。その点、原子力であれば、電力価格を一層予測可能とするために実質的な貢献をすると指摘。同建設計画を継続する妥当性を強調している。 お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで |