海外に向け積極展開を 日立/電力システム 原子力発電、粒子線も

日立製作所の電力システム社は13日、事業戦略を発表し、原子力事業では、売上高を12年度の1600億円から、20年度には3600億円に伸ばし、うち半分は海外のエネルギーソリューション事業を受注するなど、積極的に海外展開を図っていく考えを示した。

同日、記者団に対し説明に当たった電力システム社の石塚達郎社長(=写真)は、世界の原子力発電電力量が、30年には11年の約1.6倍に増加するとの見通しから、原子力計画継続国多数との市場動向を示した上で、英国、リトアニアのプロジェクトの他、新規建設推進国への重点拡販をはかるなど、「さらなるビジネスチャンスに向け全力を挙げる」と意気込んだ。

ABWR2基を建設する英国のウィルヴァ・ニューウィッド・プロジェクトについては先般、日立、ホライズン社、英国政府との債務保証スキーム適用検討協力が合意し、18年にも炉型認証(GDA)取得など、「極めて順調」としている。この他、GEと連携し、リトアニア、フィンランド、サウジアラビア、マレーシア、ベトナム、メキシコ、米国にも重点的にアプローチを図っていくこととしている。

一方、国内では、新規制基準に伴うプラント安全性向上と福島復興推進を重点に掲げており、「今が一番底」として、今後の売上回復に期待をかけている。

また、粒子線がん治療装置事業でも、スポットスキャンニングを始めとする先端技術など、日本、米国での高稼働実績、11か国の受注実績をベースに、欧州、ロシア、アジア、中東へも拡販することとしており、ユーザーミーティングを通じた「生の声」で顧客を獲得することもねらっている。


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