1〜3号機への注水、他系統へ 東京電力 福島第一未解明事項の調査状況

東京電力は13日、福島第一原子力発電所事故に関して未確認・未解明となっている事項についての調査検討状況を発表した。12年6月に同社が取りまとめた事故調査報告で、検討が必要とされた1〜3号機の炉心・格納容器の状態に関係する約50件中、ほぼ完了した10件を述べている。

国会事故調でも指摘された地震発生当時の1号機原子炉建屋4階での出水に関しては、現場作業員の目撃証言、図面調査や現場調査による機器・設備の把握・確認、非常用復水器(IC)系熱交換器の水位確認で内部の水が流出するような損傷のないことなどから、使用済み燃料プールの水が揺れに伴い出水した可能性が高いとしている。

また、消防車からの注水にもかかわらず、原子炉が十分冷却されなかった理由に関しては、実際、1〜3号機で、崩壊熱による水の蒸発を補給するのに足る注水量だったが、主復水器や腹水貯蔵タンクへのバイパス流が発生する経路があることを確認したことから、注水の一部が他系統に流れ込んでいた可能性をあげている。今後も原子炉への注水量の評価や、事故進展への影響について継続して検討を行うこととしているが、既に柏崎刈羽発電所で対策が図られている改善事項もある。

東京電力では引き続き、未確認・未解明に関する調査を進め、事故の全容解明、廃炉に向けた課題の解決・知見の蓄積につなげていく。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで