ブルガリアがコズロドイ7計画で閣議決定 東芝に出資参加要請で交渉へ

ブルガリア国営通信(BTA)によると、同国政府は11日、D.ストイネフ経済エネルギー大臣が提出していたコズロドイ原子力発電所7号機増設計画に関する勧告報告書を承認した。米国籍のウェスチングハウス(WH)社を傘下に擁する東芝に対し、戦略的投資家として同計画に出資参加するよう国営ブルガリア・エナジー・ホールディング(BEH)社が交渉開始する方針を閣議決定したもの。WH社製・第3世代+のAP1000を採用した同計画は、2016年の起工式実施に向けて大きく前進することになる。

ブルガリアは欧州連合への加盟と引き替えにコズロドイ原発で稼働していた古いロシア型PWR(VVER)4基(各44万kW)を06年までにすべて閉鎖。現在は100万kW級VVERの5、6号機が2基稼働するのみで、08年当時の政府が進めていたベレネにおける新たな原子炉建設計画(100万kW級VVER2基)は、09年にドイツ資本が撤退した後、「経費がかかりすぎる」との理由で前政権が昨年3月に打ち切る方針を表明していた。

コズロドイ7号機の増設計画はベレネ計画に代わる原発建設計画として同年8月に浮上しており、WH社はベレネ原発用に購入されたVVER機器を同社製の計装制御(I&C)系や燃料、東芝製タービン発電機と組み合わせて建設する可能性調査をブルガリア政府から受注。正式にAP1000を採用するとした7号機計画は、11月25日にストイネフ経済相が発表していた。

今回、閣議後の記者会見に応じた同相は、公開入札せずにWH社との直接交渉で採用設計を決めた理由について「完成原発による発電電力を政府がすべて購入させられるような長期契約への調印を避けるため」と説明しており、建設作業自体は入札で業者選定すると述べた模様。建設コストも東芝に最終見積額の30%負担を要請する考えで、残りは日本の国際協力銀行(JBIC)、および米政府の輸出入銀行で手当てする方針を表明したと伝えられている。

東芝との合意契約は来年9月末までの締結を目指しているという。


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