原子力担当相に脱原子力派 ドイツの新内閣

ドイツ連邦政府は16日、保守系与党のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)が左派系の社会民主党(SPD)と大連立政権を組む事で合意したと発表した。17日には議会がCDU党首のA.メルケル首相を連邦政府首相として改めて承認、15閣僚中6閣僚にSPD議員を登用した第3次メルケル内閣の人事を発表している。

現地の報道によると、CDU/CSUは9月の総選挙で過半数の議席を獲得できず、第2党となったSPDとの連立が不可避となった。SPDでは全党員による投票でCDU/CSUとの連立を決定。両者の今回の合意により、SPDのS.ガブリエル党首は副首相に就任したほか、経済・技術省を改組して新設する経済・エネルギー省の大臣を兼務。同省には原子力政策に関する責任が環境・原子炉安全省(BMU)から移管される予定で、ガブリエル大臣は2022年までにすべての既存炉廃止を目標とした「再生可能エネルギーへの移行業務」を主導していくことになった。

ガブリエル氏は2005年から09年までの第1次メルケル政権下、BMU大臣として経年化した原子炉8基の即時閉鎖を進言するなど、強硬な脱原子力派で知られる。

なお、BMU新大臣には、SPD党員で元財務閣僚のB.ヘンドリックス女史が就任している。


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