NSRRが運転再開 炉内状況解明へ役割 福島第一の廃炉支援等 人材育成にも貢献

日本原子力研究開発機構は17日、原子炉安全性研究炉(NSRR=写真は外観)の運転を再開した。11日に原子力規制委員会の新規制基準等に照らした審査の合格証を受領していた。

今後、福島第一原子力発電所事故の燃料挙動を解明する実験を行う計画。廃炉作業を迅速かつ安全に進めるために炉内状況の把握は急務で、NSRRを通じた実験を進める方針。実験結果は他の発電所の安全評価や安全対策にも反映される。

このほか実際に原子力発電所で使用されている燃料の反応度事故時挙動評価に関する実験を実施して規制判断の技術的根拠の整備拡充をはかるほか、炉の運転を通じての人材育成のための実習なども計画している。

NSRRは、ごく短時間の運転(パルス運転)を行い、原子炉暴走事故(反応度事故)を模擬できる研究用原子炉で、反応度事故時における原子炉燃料の挙動について多くの実験を実施してきた。

東日本大震災の揺れで地盤沈下や原子炉建屋等のコンクリート部に微細なひび割れがみられたため、対策を講じて原子力規制委員会の安全審査を受けていた。


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