原型炉を視野に新局面 JT−60SA 改造工事が本格的に開始

ITER計画の具体化にも大きく貢献した日本のトカマク型核融合炉研究の拠点といえばJAEAのJT−60装置だが、現在改造中で、JT−60SA(SAはSuper−Advanced)へと発展する計画だ。こちらもITER計画の補完的な役割等を担うために、今年から改造工事が本格化し機器据え付けの最盛期に入っていくことになる。

JT−60の改造の目的は、ひとつにITERの技術目標達成のために、臨界条件クラスのプラズマを長時間(100秒程度)維持する高性能プラズマ実験の実施がある。また、ふたつめとしては、原型炉にむけ高出力密度を可能とする高圧力プラズマを100秒程度維持して原型炉の運転手法を確立すること。

日欧の共同研究プロジェクトとして分担して機器の開発が進められており、欧州が分担している主要な機器は、JAEAの那珂核融合研究所に運び込まれて組立てが行われる。一方で既存の装置は2012年10月に解体を終了し、2013年1月には、真空断熱容器の基礎部分(クライオスタットベース)の組立てを開始。今月から、いよいよJT−60SA装置主要機器の組立て作業の皮切りともなる下部のポロイダル磁場コイルのクライオスタットベースへの設置が開始される。

今後、真空容器の据え付け、さらにトロイダル磁場コイルの据え付け等、主要機器の組み立てが進行する計画だ。


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