ゴラクプール原発起工式 インド国産炉の新規サイト

インド原子力発電公社(NPCIL)は13日、インド北部のハリヤナ州でゴラクプール原子力発電所1、2号機の起工式を開催した。デリー首都圏から北西170kmのサイトでは、原子力省(DAE)大臣を兼務するR.シンハ原子力委員長やNPCIL総裁などの見守るなか、M.シン首相が記念の礎石を敷設。出力70万kWの国産加圧重水炉(PWHR)を2020年から21年にかけて2基建設するという1期工事の準備作業が開始されることになった。

インドでは現在、長期の運転休止状態にあるラジャスタン1号機を除いて19基の原子炉が営業運転中。昨年10月にインド初の100万kW級PWRであるロシア製のクダンクラム1号機が送電網に接続されたが、それ以外はほとんど出力10万kW〜54万kWの国産PHWRである。

ハリヤナで建設されるPHWRはこれらをスケールアップした設計で、カクラパーおよびラジャスタンの二サイトで2基ずつ建設中の70万kW級PHWRと類似のものになる。総工費は2100億ルピー(約3532億円)で、動的と静的な安全システムを併用するなど、NPCILでは最新技術を駆使した安全設計であることを強調している。

今後は規制上の承認を段階的に取得しながら、15年6月のコンクリート打設を目指す。最終的にはll期工事の2基を含め4基・280万kWが建設される計画だ。

なお、同じハリヤナ州のバハドルガルでは3日、DAEが「原子力パートナーシップ・グローバル・センター(GCNEP)」の定礎式を行った。

2010年4月の核セキュリティ・サミットでシン首相が構想を公表していたもので、(1)先進的原子力システム(2)原子力セキュリティ(3)放射線安全(4)原子力材料特性(5)放射性同位体と放射線技術の応用――について調査研究する5つの独立の学校で構成される施設。国際社会との連携を通じ、人類に恩恵をもたらす安全確実かつ持続可能な原子力発電を推進するという義務を負っており、インド内外の科学者による研究活動や人材養成、専門的課題の国際セミナーやワークショップにも活用されることになる。

さし当たり、総建築面積8万平方メートルの第1フェーズを15年3月までに完成、17年には付属の先進施設も含めて本格オープンする予定だ。


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