チャシュマ4で建屋の丸屋根設置 パキスタン

パキスタンの原子力発電所建設計画を支援している中国の上海核工程研究設計院(SNERDI)は6日、パキスタンのチャシュマ原子力発電所サイトで4号機(C−4)の原子炉建屋に丸屋根を設置したと発表した(=写真)。

中国製PWRの1、2号機(各32.5万kW)が稼働する同サイトでは、同様にSNERDIが設計した出力34万kWの3、4号機の建設作業が2011年から開始されており、3号機ではすでに昨年3月に丸屋根の据え付けを終えた。4号機でもスケジュールより72日前倒しの今月2日、直径36m、高さ9m、総重量185トンの丸屋根をクレーンで吊り上げ、建屋の所定の位置に設置する作業を50分で完了。16年以降の完成を目指す同建設計画も土木作業のピークを迎えたと強調している。

政府の「原子力ビジョン2050」に基づいて、50年までに約4000万kWの原子力発電設備建設を目指す同国では、昨年11月に既存のカラチ原発で、100万kW級の中国製PWRとなる2、3号機(K−2およびK−3)の着工式を挙行。国営のラジオ通信社によると、これら2サイトに次ぐ3つの新規サイトでの原発建設プロジェクト計画書(PC−1)も完成しており、これらのうちパンジャブ州ムザファンガルにおけるPC−1はすでに国家経済審議会の執行委員会が承認済みである。

パキスタンはカシミール地域の帰属問題を巡って長年インドと対立していることから、インドと同じく核不拡散条約に加盟しない道を選択。欧米の原子力先進国から技術面および資金面での支援が得られないなか、これらの両面で中国から支援を取り付けて原子力開発計画を継続している。


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