原子炉建て替えで諮問協議開始 バッテンフォール社

スウェーデン南西部沿岸でリングハルス原発(80万kW級BWR1基、90〜100万kW級PWR3基)を所有するバッテンフォール社は16日、同原発における高経年炉の建て替えを念頭に置いた長期的分析調査の重要な一部分として、将来的な環境影響評価のための諮問協議を関連の政府機関や地元住民、その他の関係者に対して開始すると発表した。

同国では約30年間にわたった脱原子力政策の後、2011年1月に既存原子炉10基に限って建て替えを許可する法案が発効。その後に発生した福島第一原発事故で新設を巡る状況は微妙になったが、バッテンフォール社は12年7月、代替炉の建設可能性を情報分析する申請書を放射線安全庁に提出した。また、昨年6月には、建て替え用を利用選択肢の1つとする用地購入交渉をリングハルス原発近郊の土地所有者と開始している。

今回の発表について同社の北欧事業担当幹部は「既存炉の建て替えは適切と評価しているが、閉鎖し始めるまでにはまだ10年以上あるので、この選択肢を保持しておくためには、今から広範な調査を行っておく必要がある」と説明した模様。20年頃に建て替え投資の最終判断を下す基盤として数年間かけて分析調査を実施する考えであり、25年から26年にかけて運転寿命を迎えるリングハルス1、2号機を代替するためにベースロード電源用の新たな原子炉が必要だとしている。


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