[原子力産業新聞] 2014年2月6日 第2705号 ＜1面＞

地盤改良技術で実証試験実施へ　福島第一の廃炉状況

資源エネルギー庁は１月３０日、福島第一原子力発電所の廃止措置状況を発表した。１１月より開始された４号機使用済み燃料プールからの燃料取り出し作業は、１５３３体中、２４２体（うち使用済み燃料２２０体、新燃料２２体、１月２９日作業終了時点）が共用プールへ移送済み。１、２号機取水口間護岸付近で実施されている地下水のウェルポイント汲み上げで、全β放射性物質濃度の上昇が続いていた観測孔Ｎｏ１―１６は、１００万ベクレル／リットルのオーダーで推移している状況だ。

また、８月に漏えいを起こしたＨ４エリアタンクの対策では、汚染水に含まれる放射性ストロンチウムの海洋への流出を防ぐため、追加的・重層的対策の１つとして現在、土壌中のストロンチウムを捕集する材料を用いた地盤改良の検討が進められており、２月中にも実証試験を行う予定となっている。これは、米国ハンフォードサイトで実施されている技術で、アパタイトと呼ばれる吸着材を注入することにより、地下水中のストロンチウムを９割程度低減する効果が報告されている。（写真は施工の例）

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