ハンガリーのパクシュ原発増設計画 露が100億ユーロを低金利融資

ハンガリーのM.バルガ国家経済相は6日、同国唯一の原子力発電所であるパクシュ原発の増設計画にロシアから最高100億ユーロの融資を受ける条件の詳細について、両国が合意に達したと発表した。1月14日に両国首脳が基本合意していたもので、総工費の約80%が21年ローンでハンガリーに提供されるという内容。バルガ大臣は「市場ではあり得ないレベルの低金利・長期の融資」と評価している。

同相によると、この増設計画は2015年にスタートし、最初の5年間は計画準備作業に充てる予定。23年に増設炉の1基目を完成、2基目が25年に完成した後、21年間かけて返済することになっており、最初の11年間の金利は3.95%となる。続く第2段階で4.5%、最終段階で4.9%と変動していき、2046年に完済。早期完済オプションも付随する契約で、最終的な総工費に応じて限度額一杯まで融資を受ける義務もないなど、双方にとって最適の取引だと強調した。

なお、現地の報道によるとハンガリー議会は同日、256対29でこの取引を承認した。票決に際しては環境保護派など反対議員による妨害もあった模様だが、同国のV.オルバーン首相はパクシュ原発がハンガリーの総発電量の4割を賄っているという事実から、「パクシュ原発の改築無くして、安全で廉価かつクリーンなエネルギーを国内で生産することはできない」と断言。同原発が無ければハンガリーは貧しい寂れた国になり、経済力も低いものになると述べたことが伝えられている。

同原発には現在、出力50万kWのロシア型PWR(VVER)が4基稼働している。80年代に運開した1号機については規制当局が昨年、32年まで20年間の運転認可延長を承認。ロシアが建設する2基は各出力120万kWのVVERになると見られている。


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