廃炉・除染技術で交流 福島復興フォーラム 日米企業がノウハウ結集

原子力災害に伴う廃炉・除染分野で日米企業が交流を深めるイベント「福島復興フォーラム」が18、19日、都内で開催され(=写真左)、米国企業26社が自社の持つ技術・サービスによる積極的支援を呼びかけた。

開会挨拶で、米国エネルギー省次官補のピーター B.ライオンズ氏は、原子力事故発災直後からの対応を振り返りながら、TMI事故を踏まえた米国のR&Dには、複雑な環境修復プロジェクトの経験が蓄積されているとしたほか、21日には福島第一発電所を訪問し、使用済み燃料プールにおける作業を視察する考えを述べるなど、日本に対する技術支援に積極的姿勢を示した。

また、米国商務省グローバル市場担当副次官補のジョン M.アンダーソン氏は、福島復興に向け中長期的な取組が必要なことを強調し、日米両国のノウハウを結集し支援することは、米国企業にとっても有益などと述べた。

18日に行われた米国企業によるプレゼンテーションで、CH2Mヒル社は、ストロンチウムを吸着するリン鉱石を用いた遮水対策を紹介し、日本からも関心が寄せられていることなどを述べた。また、インターナショナルアクセス社は、事故炉の周囲に運河を巡らし地下水のレベルを海面まで下げる「Dry−Island」方式や、原子炉の真下にホットセルを設置して燃料デブリの取り出し作業を行う方法などを提案した。今回は(1)ロボット技術(2)汚染水対策(3)調査(モニタリング)(4)除染(5)廃棄物処理(6)燃料デブリ取り出し――の分野に携わる米国企業が出席し、日本の企業との協力関係を深めた。

19日は、C.ケネディ駐日米国大使(=写真右)が開催挨拶を行い、「震災直後から米国は福島に多くの支援を続けており、今後も米国企業の技術で貢献していきたい」と二国間の協力に前向きな姿勢を見せた。

続いて東京電力や国際廃炉研究開発機構(IRID)などがそれぞれ福島第一発電所の最新廃炉計画を説明したほか、大林組や東芝などの日本企業もプレゼンテーションも行った。


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