フェンノボイマ社 出力変更で改定版EIA フィンランドのハンヒキビ計画

フィンランドでハンヒキビ原子力発電所1号機の建設を計画しているフェンノボイマ社は13日、120万kW級原子炉をピュハヨキに建設することを想定した改定版の環境影響評価(EIA)報告書を雇用経済省(MEE)に提出した。

議会が建設計画を承認した後に原子炉出力を変更したことに伴う措置で、MEEは今後、関連する他の省庁や機関からEIAに対する見解を募るとともに、国民が自由に意見を述べる場となる公聴会の開催に向けて、メディアや地元の公式掲示板、および近隣自治体に開催の詳細を通知する方針。聴取した見解とEIAに基づき、MEEとしての最終声明を6月頃に取りまとめる計画だ。

フェンノボイマ社は当初、160万kW〜180万kWの原子炉建設を計画しており、議会から同計画に対する「原則決定(DIP)」を得るため、2008年に作成したEIAは180万kW級原子炉の建設を想定して実施した調査の結果を網羅。これに伴い昨年2月、160万kW級の「EU―ABWR」を提案する東芝に優先交渉権を与えたという経緯がある。

しかし、同社はその後、採用設計の出力を100万〜130万kWに変更した。昨年12月には120万kWのロシア型PWR(VVER)の最新シリーズである「AES―2006」を推すロシアのルスアトム・オーバーシーズ社と原子炉供給契約を締結。2024年までに運転を開始させるなどとした。

MEEの指示により改定した新たなEIAの中で、フェンノボイマ社はピュハヨキにおける120万kW原子炉の建設は実行可能との結論を明記。08年のEIAと比較して、現地の水系や漁業・自然保護区域に対する環境影響は180万kWを想定した評価結果より少し小さくなると強調した。MEEは今回のEIAや関連の報告書に基づき、2010年に議会が承認した現行のDIPがロシア製原子炉オプションをカバーしているか、また、同DIPを再考すべきかについて法的な判断を下すとしている。


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