CAREM25 SMRが本格着工 アルゼンチンの独自開発

アルゼンチン原子力委員会(CNEA)は9日、同国が独自開発している電気出力2.5万kWの一体型PWR原型炉「CAREM25」で本格的な建設工事を正式に開始したと発表した(=写真)。CNEAが設計し、国内産業界の技術で機器製造するという同計画が土木建築作業の第1段階を迎えたことにより、N.キルチネル前大統領が2003年に再活性化を宣言した同国の原子力開発も継続的に発展し、歴史的な一歩が刻まれることになったと強調している。

CAREM25は計画投資サービス省の主導で進められている総投資額35億ペソ(約455億円)のプロジェクト。建設サイトは首都ブエノスアイレスから115kmのリマ町で、隣接区域にはアトーチャ原子力発電所が立地している。昨年12月にCNEAは直径3.5m、高さ11m、重さ約200トンの円筒型圧力容器を国内のIMPSA社に発注。機器や関連サービスの7割は国内企業から調達する方針で、17年後半にも最初の燃料装荷を目指している。

同炉はまた、自然循環を活用する1次冷却系など受動的な安全性を有したモジュラー式の小型炉となることから、CNEAは「世界中で様々な小型モジュール炉(SMR)が開発されているなかでも、CAREM25は初めて着工した」と指摘。こうした意欲的プロジェクトを通じて、アルゼンチンが国内で原子炉を開発できる能力が再確認され、同国が低・中出力の原子炉部門で世界的なリーダーの1つであることが示されたとしている。


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