ワッツバー2の建設が順調に進捗 米TVA

テネシー州でワッツバー原子力発電所2号機(120万kW、ウェスチングハウス社製PWR)を建設中のテネシー峡谷開発公社(TVA)は16日、昨年8月から10月までの建設作業状況を公表し、2015年12月の完成というスケジュールに沿って、作業が大規模な全体工事から各システムの完成とその試験に移りつつあることを明らかにした。完成すれば、同炉は1996年に米国でワッツバー1号機が運転を開始して以来の新設原子炉となる。

同炉は建設・運転一括認可(COL)を必要としない古い許認可システムに従って1973年に着工したが、TMI事故後の安全要件追加や電力需要の低下等により85年に作業は停止。07年に予算25億ドルの完成計画が理事会で承認されたのを受けて08年1月から工事が再開されており、昨年6月には米原子力規制委員会(NRC)が運転認可審査で最終環境声明書を発行していた。

報告によると、対象期間中に同炉の完成を阻むようなリスクは新たに特定されなかったものの、いくつかの課題は依然として存在。例として、1号機の安全操業に影響を及ぼさずに共用システムを完成・試験することや、発電所サイトを成功裏に複数ユニットの操業モードに移行することなどを挙げている。

なお、TVAの理事会は13日、同炉の取替用蒸気発生器(SG)2台を1億6千万ドルでWH社から購入することを承認した。応力腐食割れに強い合金で製造される68AXPモデルのSGとなる予定で、TVAの広報官は地元でのインタビューの中で同炉の運開後7〜10年後を目処に取り替える計画を明らかにした模様。設計と製造、および納入に関する12年契約を今、結んでおけば、支払を16年まで引き延ばせるといったコスト優位性を指摘したと伝えられている。


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