放射線リスコミで基礎情報 原災対策 施策パッケージまとめ

政府は18日、原子力災害避難住民の帰還に向けた放射線リスクコミュニケーションに関して、各省庁が取り組む施策を、現場の良好事例にも触れながら取りまとめるとともに、合わせて、正確でわかりやすい情報発信のベースとなる資料「放射線リスクに関する基礎情報」を公表した(=写真)。

この施策パッケージによると、住民への放射線による健康影響に関する情報提供はこれまで、専門家を招いた講演会・セミナーの開催や、広報誌の配布などが行われているが、今後は、個々人によって考え方が異なるという前提に立ち、「本当に聞きたい話を気兼ねなく聞ける双方向のコミュニケーションをきめ細かく実施する必要がある」としている。

その上で、原子力規制委員会による「帰還に向けた安全・安心対策に関する基本的考え方」などを踏まえた取組として、(1)正確でわかりやすい(2)少人数によるリスコミの強化(3)地元に密着した専門人材の育成強化(4)住民を身近で支える相談員によるリスコミの充実――の項目ごとに関連施策を整理した。

また、大学や自治体による取組事例にも触れており、一例をあげると、近畿大学では11年夏から、川俣町の委託を受けて、個人線量計を用いた子ども1人1人の被ばく線量測定を行い、健康相談にも応じており、近年では、大学全体としての被災地復興支援プロジェクトに拡大している。

なお、放射線の健康リスクを説明する情報をわかりやすくコンパクトにまとめた「放射線リスクに関する基礎情報」は復興庁のホームページ(http://www.reconstruction.go.jp)で見ることができる。


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