第4世代・進行波炉開発で B&W社がテラパワー社に協力

米国のバブコック&ウィルコックス(B&W)社は17日、テラパワー社が進めている第4世代の進行波炉(TWR)開発に支援協力するための覚書を同社と締結した。B&W社は現在、PWR技術に基づく第3世代プラスの小型モジュール炉(SMR)「mPower」を独自開発中であることから、概念設計段階にあるTWRを予備設計段階に進める戦略的な技術供給者として、テラパワー社が必要とするエンジニアリング技術や機器製造その他のサービスを提供していく考えだ。

テラパワー社はマイクロソフト社の創業者として知られるビル・ゲイツ氏が後援する原子力開発ベンチャー企業。同氏が規模の縮小拡大が可能で温室効果ガスを出さず、持続可能かつコスト競争力のあるエネルギー源の開発に乗り出した2006年に企業概念が創案された。

劣化ウランを燃料に使用するTWRは少なくとも40年以上、燃料交換なしに運転継続が可能と言われる次世代型高速炉で、冷却材は液体金属ナトリウム。現在、22年頃の運開を目標に電気出力60万kWの実証炉「TWR―P」の開発を進めており、115万kWの商業炉は20年代後半に運転を開始する計画だ。

B&W社が提供するサービスと支援の分野は多岐にわたっており、機器の設計と製造、燃料加工プロセスの開発と試作燃料の製造、原子炉の設計エンジニアリング、原子炉の運転支援、米国内外におけるスタッフの拡充、流動ループ試験、許認可支援、材料試験など。B&W社からこうした支援を得つつ、テラパワー社は設計作業を継続するとともに、TWRを世界規模で商業化するための準備を行っていく。

今回の覚書を通じてテラパワー社は、原子力産業界の卓越した技術が利用可能となり、新型原子力技術の国際供給チェーンの中で米国企業をアクティブに保つことができるとの期待を示した。


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