修正令で運転再開の可能性 スペインのガローニャ原発

スペイン内閣は21日、安全性や放射線防護上の理由以外で閉鎖された原子力発電所について、運転終了後1年以内であれば運転認可の更新申請が可能となるよう規制修正した王国令を承認した。昨年7月に閉鎖されたサンタマリア・デ・ガローニャ原子力発電所(=写真)(BWR、46.6万kW)の運転再開に道をつけるもので、同炉を所有するニュクレノール社はこれを受けて、7月初頭までに認可更新を申請するための条件について精査するとしている。

1971年に運開した同原発については、原子力安全委員会が2009年の運転認可更新時に「いくつかの安全上、放射線防護上の条件をクリアすれば19年まで操業が可能」との判断を下していた。しかし、経費の3割増しにつながる新税が13年から課されることが判明したため、ニュクレノール社は13年7月以降の運転認可を申請せず、12年12月16日で同炉の操業を停止。同年内に燃料もすべて取り出して使用済み燃料プールに移送した。13年5月になり、同社は認可の更新を実現するために省令の一部変更を産業エネルギー省に要請したが認められず、省令に従って同年7月6日にガローニャ原発を閉鎖していた。

スペイン原子力産業会議(FOROニュークリア)は今回の規制変更について「国内原発にプラスの影響をもたらす」と評価。安全性とは関係のない理由で運転活動が停止された原発が明確な法的枠組の範囲内で運転継続が可能になることから、「我が国は信頼性の高いクリーンで安定的なエネルギー源の活用を進め、他国に依存しない国産エネルギー源を増強していくことができる」と強調した。

FOROの調べによると、スペインの原子力発電設備容量は総発電設備の7.27%であるものの、2013年に総発電電力量に占めた原子力のシェアは20.86%にのぼったとしている。


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