売上減75%に悪影響 運転停止で企業回答 原産調査 雇用・技術維持に懸念

原産協会は19日、原子力発電に係る産業動向調査の結果概要を発表した。協会が昨夏、国内の原子力発電産業に係る計486社にアンケート票を送付し、216社(うち電気事業11社、鉱工業他205社)から有効回答を得て取りまとめたもので、原子力発電の運転停止に伴う影響としては、75%の企業が、売上の減少をあげており、経営環境の悪化につながっていることが示された。

今回の調査が対象期間とした12年度で、原子力関係支出高は、電気事業者が1兆5000億円で前年度より3000億円の減少、鉱工業他が1兆5000億円で同1700億円の減少。また、鉱工業他の受注残高は、約2兆円で前年度より約2100億円の減少となった。

原子力関係従事者数は約4万7000人となっており、前年度比では、電気事業者がやや減少、鉱工業他がやや増加し、全体としては微増だった。

また、13年度の原子力産業事業を取り巻く景況感については、「悪い」と回答した企業が89%に上っており、12年度の86%からさらに悪化している。

原子力発電所の運転停止に伴う13年度売上への影響としては、「前年度比で売上が減少している」と回答した企業が145社(約75%)に上り、そのうち、減少の程度では、「0〜4割」とする企業が最も多く(74%)、14年度以降も、約90%が「減少」または「横ばい」との見通しを示している。また、売上以外で今後予想される影響としてあげたのは、「雇用(人員)や組織体制」(64%)、「技術面」(48%)が多く、そのうち、「技術面」の影響では、「熟練技能者の育成・技術伝承の困難」を約7割の企業があげているなど、雇用の縮小が技術力の低下に拍車をかけつつあることが浮き彫りとなっている。


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