原賠支援機構法改正案を閣議決定 廃炉支援など追加へ 技術委員会の設置も

政府は2月28日、原子力損害賠償支援機構法の改正案を閣議決定した。福島第一原子力発電所事故炉の廃止措置について、溶融燃料の取り出しや汚染水処理など、完了までの取組が、困難かつ長期にわたることから、原賠支援機構の業務に、廃炉関係を追加、拡充し、技術支援を総合的に行わせるのが趣旨。名称は、「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」と改称。今通常国会での成立を目指す。

原賠支援機構は、福島原子力災害を受けて、11年9月、同法に基づき、被災者に対する損害賠償の迅速かつ適切な実施を目的として設立された。

原子力災害対策本部が13年12月にまとめた福島復興加速化の指針では、「事故収束に関する万全な対応」に向けた国の取組として、廃炉支援業務と賠償支援業務の連携強化のため、原賠支援機構の活用を含めて検討することとされている。

改正法案では、新機構に、廃炉関係業務の意思決定機関として、委員を大臣認可とする「廃炉等技術委員会」を設置し、業務拡充に伴い副理事長職を新設、理事を増員するほか、廃炉対策の状況・課題を把握し、専門的技術的観点から適切な支援を行わせるよう、助言・指導・勧告の機能や、廃炉技術に関する研究開発も業務として定めることとなった。


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