年内に最初の認証申請 米国のSMR開発が進展

官民の協力により世界市場に台頭できる小型モジュール炉(SMR)の開発・商業化を進めている米国で、今年の第3四半期にも最初のSMR設計に関する認証審査(DC)の申請が、また、15年には2件目で申請が行われる見通しであることが明らかになった。

米原子力エネルギー協会(NEI)が2年に1回開催するSMRフォーラムの席で、先月25日に米原子力規制委員会(NRC)のG.アポストラキス委員が述べたもの。国内SMRの開発は製図板上の作業から許認可・建設段階に順調に歩を進めつつあり、米国初のSMR設計で建設工事が始められる日はそう遠くないとしている。

米エネルギー省(DOE)は2012年、産業界とのコスト折半で出力30万kWかそれ以下のSMR設計2件を6年間で商業化支援するという4億5200万ドルの計画を公表。昨年12月までにバブコック&ウィルコックス(B&W)社の「mPower」、ニュースケール社のSMR設計を支援対象に選択済みだ。

アポストラキス委員によると、mPower設計についてはすでに、B&W社と組んだテネシー峡谷開発公社(TVA)がクリンチリバー・サイトで2020年代初頭の運転開始を目指して、15年第2四半期に建設許可を申請すると見られているほか、ニュースケール社もサバンナリバー・サイトで数年遅れで後を追う見通しになっている。

DC審査においてはSMRの様々なシステムや構造物、機器の安全性を確保するため、リスク情報を活用したアプローチを組み込むようNRCがスタッフに指示。NRCはSMR機器の品質を保証するため同手法を採り入れた許認可を目指しており、具体的には安全上の実質的な重要度に応じて機器やシステムを分類し、それに見合った品質保証対策を適用する。

事業者は安全関連機器のうちNRCの規制上、実際に重要なものは5〜6%に過ぎないと認識しており、この分類がいかに控え目になり得るかを示していると同委員は強調。ただし、安全上重要でない大多数の機器・システムの扱いについては、スタッフと産業界が合意点に達するのは難しかったとしている。


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