東日本大震災3周年 「情報の透明性」を強調 ヤツコ前米NRC委長講演

東日本大震災から3周年を迎え、危機対応やリスクガバナンスについて、グローバルに考えるシンポジウムが11日、都内で開かれた。「福島原発事故独立検証委員会調査・検証報告書」(民間事故調)や「日本最悪のシナリオ 9つの死角」を取りまとめた日本再建イニシアティブと、東京大学政策ビジョン研究センターの主催で、前米国原子力規制委員長のG.ヤツコ氏が基調講演に立ち、発災当時の対応を振り返りながら、危機発生時のコミュニケーション、意思決定、リーダーシップのあり方について教訓を述べるなどした。

ヤツコ氏は、11年3月の発災時、大津波の影響に鑑み、米国西海岸の原子力発電所の状況を案ずるとともに、日本支援のための人員派遣、在日米国人へのアドバイスなどに奔走したことを振り返った。同氏は、インターネットの普及でコミュニケーションの方法が変わり、常に新しい情報を流さねばならない一方で、不十分な情報も錯綜する中で、意思決定を行わなければならないという危機時に際しての「2つの圧力」を指摘した上、「情報は間違っていても隠してはいけない」として、情報の透明性を強調したほか、大所高所でものを見られるリーダーシップの存在にも言及した。

パネルディスカッションに移り、原子力事故の教訓として、前内閣危機管理監の伊藤哲朗氏は体制整備と情報共有、東京都市大学学長で民間事故調をリードした北澤宏一氏は情報の隠ぺい、日本再建イニシアティブ評議員の齋藤ウィリアム浩幸氏は新たな危機への対応について、それぞれ発言した。これに対し、ヤツコ氏は、自国の経験も踏まえ、組織の文化醸成には時間を要することなどを述べた。


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