シガーレイク鉱山が操業開始 カナダ

東京電力と出光興産がそれぞれ5%と8%出資しているカナダのシガーレイク・ウラン鉱山が約9年の建設工事を経て、ようやくウラン鉱石の生産を開始した。同鉱山のオペレーターとして50.025%の権益を保有するカナダのカメコ社が14日付けで発表したもので、昨年12月末までの総投資額は26億カナダドルに達したとしている。

同鉱山から70km離れた仏アレバ社のマクリーンレイク製錬所で最初の生産鉱石の処理が始まるのは今年の第2四半期を予定。同製錬所の生産能力は年間1万900トンとなっており、2014年には770〜1100トンのウラン精鉱(U)生産が見込まれている。また、本格稼働を達成する18年初頭までに生産能力は年間8100トンまで増強される計画だ。

カナダ・サスカチュワン州のアサバスカ地方に位置するシガーレイクでは1981年に鉱床が発見された。カナダ原子力安全委員会は04年6月に同鉱山の開発計画に関する環境評価を承認した後、同年12月に建設許可を発給。05年にジェット・ボーリング法(=写真)による地下採掘坑の建設が始まったが、作業は落盤事故にともなう浸水により06年と08年に中断し、完全な排水と修復が完了したのは11年になってからだ。カメコ社では「世界でも技術的に最も困難な開発プロジェクトだった」と回想。操業開始にこぎ着けたことは、とてつもない偉業であると評価した。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで