来年に1基を前倒し閉鎖へ 独E・ON社

ドイツのE・ON社は3月28日、南部バイエルン地方で操業しているグラーフェンラインフェルト原発(=写真)(PWR、134.5万kW)の閉鎖予定日を7か月前倒しし、2015年5月下旬とする方針を発表した。

福島第一原発事故後、ドイツ政府は2022年までに既存炉17基すべてを閉鎖する方針を決定。1982年に運開したグラーフェンラインフェルト原発は15年末までの運転が可能だが、同年5月はちょうど燃料交換の時期に当たり、年末まで運転する場合は新たに装荷する新燃料1グラムに付き145ユーロの核燃料税を支払わねばならない。

同税の徴収期限が16年であることから、E・ON社では経済性を考慮して前倒し閉鎖を決めた。国内送電網を管理する連邦ネットワーク庁、および送電系運用者のTENNET社にも今回の決定を通達している。

この核燃料税は福島第一原発事故が発生する直前の2011年1月から施行。既存炉の運転期間を平均12年延長することが交換条件だったが、同事故後にその約束は果たされず、各原発は法定発電枠が満了し次第、順次運転が停止されることになった。

各原子力発電事業者はこれに対する異議を様々な裁判所に提訴。同税が欧州の規定に従っているかについては欧州司法裁判所に持ち込まれたが、裁定が下る16年初頭までは同税を払い続けなければならないという事情も背景にある。


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