水中のセシウムを素早く 産総研など モニタリングシステム

産業技術総合研究所は7日、同研究所と日本バイリーン、福島県農業総合センターらの開発チームが、効率的に水中の放射性セシウムを計測できるモニタリングシステムの開発に成功したことを発表した。東京電力福島第一原子力発電所の事故で多くのセシウムが陸域に沈着し、その後徐々に河川などに流出していると考えられるが、福島県内の多くの河川では、セシウム濃度が「水1リットルあたり1.0ベクレル未満」と低いため、現行の方法だと水20リットルの前処理などに6時間から1週間もの時間がかかり、多地点での継続的なモニタリングが進まない原因になっている。

開発チームは、不溶性セシウムと可溶性のセシウムをそれぞれ吸着できる2種類の不織布カートリッジを使ったモニタリングシステムをこれまでに開発し、亜鉛置換体プルシアンブルーを使った不織布カートリッジ「Zn−C」を実用化した。従来の約6時間から約8分に大幅に短縮できるようになり、今月から日本バイリーンが試験販売して、福島県内でのセシウムの環境動態モニタリングに活用される予定だ。


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