原子力、重要電源に エネ基本計画が閣議決定

政府は11日、新しいエネルギー基本計画を閣議決定した。エネルギー政策基本法に基づき、03年10月に初めて策定されてから、今回で第4次計画となる。東日本大震災後、経済産業省総合資源エネルギー調査会の基本問題委員会で、10年6月に策定のエネルギー基本計画を「白紙から見直す」として、11年10月に議論が始まり、政権交代後、同調査会基本政策分科会に場を移し、13年12月に分科会としての結論が示された。これを受け、パブリックコメント実施後、14年2月に原子力関係閣僚会議で政府原案を取りまとめ、与党調整後、このほど成案となった。

エネルギー政策の基本的視点「3E+S」を確認し、「多層化・多様化した柔軟なエネルギー需給構造」の実現を掲げた上、1次エネルギー構造における各エネルギー源の位置付けと、政策の基本的な方向を述べた。原子力については、「安全性の確保を大前提にエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源」と位置付け、原子力規制委員会の判断を尊重し、再稼働を進めることとしている。

エネルギーミックスについては、18〜20年を、安定的なエネルギー需給構造を確立するための集中改革実施期間とし、各エネルギー源の位置付けを踏まえ、原子力再稼働、再生可能エネルギーの導入などを見極めて、速やかに示すこととしている。

また、高レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた取組強化や、核燃料サイクル政策の推進も、「対策を将来へ先送りせず着実に進める」として、明記された。

◇   ◇

電気事業連合会の八木誠会長は、エネルギー基本計画閣議決定を受け、原子力発電が「重要なベースロード電源」と位置付けられ、核燃料サイクルについても引き続き「推進する」ことが明確化されたことを、「大変意義がある」とした上で、電力システム改革により、競争が進展した環境下にあっても、民間が原子力を担っていくため、新たな国策民営のあり方が検討されることを求めるコメントを発表した。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで