F.オサイサイ・ナイジェリア原子力委員会 委員長

ナイジェリアは原子力を導入するための開発プログラムに着手したばかり。政府はエネルギー資源開発戦略とその開発において、持続可能な視点を考慮に入れるべきと考えており、国の人口と資源、技術ベースなどをすべて勘案して将来のエネルギーミックスを考えた。

我が国の人口は現在、1億7000万人であり、深刻な電力不足問題を抱えている。2010年時点で石油、天然ガスなどの資源を生産しているが、将来的に枯渇していくと予想。発電設備は8GWしかなく、利用可能な河川をすべて使った場合でも水力は14GW。質の悪い国内炭で発電所を開発する計画はなく、再生可能エネルギーも大きな貢献は期待できない。

こうした事情から原子力しかないとの結論に達しており、政府は07年に開発ロードマップを策定した。実施戦略は(1)人材育成とインフラ開発(2)設計認証、規制当局の承認、運転認可の取得(3)建設と運転の開始――の3段階に分かれており、2020年代の初め頃に100万kW級の初号機を運転開始。30年までに合計4基に拡大する計画だ。

現在、原子力の導入に必要な18のマイルストーンに取り組み中。具体的には人材育成のための教育基盤開発、政府方針の策定や必要な法律を制定する行政組織作り、大型機器の輸送システムといった国の物的なインフラの整備、資金調達計画を策定する所有組織の設置などがある。

原子力基盤開発資金の調達において政府の責任や能力は重要で、建設資金を提供してくれるベンダー・事業者をいかに惹き付けるかが鍵。海外の技術パートナーが必要であり、BOOT(建設・所有・運転・移転)方式が好ましいと考えている。


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