米STP増設計画の実現を確信 東芝

東芝は2013年度通期の連結決算の業績予想について、昨年10月末に公表した予想を修正すると7日付けで発表した。

米国におけるサウステキサス・プロジェクト(STP)原発3、4号機増設計画で同社が出資する事業開発会社「NINA社」の資産価値を保守的に見直した結果、310億円の営業損失を計上したことによるもの。ただし、「本プロジェクトの実現性と事業性に関する認識に何ら変更はない」と明言しており、135万kWのABWRを2基建設する同計画の実行可能性は依然として高いとの見解を示している。

STP3、4号機増設計画の建設・運転一括認可(COL)は、米国のNRGエナジー社とサウステキサス・プロジェクト・ニュークリア・オペレーティング社(STPNOC)が2007年に米原子力規制委員会(NRC)に申請した。東芝は08年にNRG社との共同出資でNINA社を設立し、09年にSTPNOCから同計画のエンジニアリング・資材調達・建設(EPC)契約を受注。日本企業として初めて、海外の原発建設計画の主契約者となった。

しかしその後、福島第一原発事故を受けた安全基準見直しの動きや東京電力の出資参加が期待できなくなったことから、NRG社が同計画への投資打ち切りを表明。東芝はCOLの審査経費を継続負担して計画再生の可能性をつないでいるが、COL取得には規制上、米国籍企業からの財源確保が必要であるなど課題が残されている。


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