[原子力産業新聞] 2014年5月29日 第2720号 ＜4面＞

ＤＮＡ損傷の影響で研究成果　原子力機構他

日本原子力研究開発機構と大阪府立大学の研究グループは、生体のＤＮＡが損傷を受けることで、細胞中の被ばくしていない正常な染色体にも異常が生じることを発見した。生物学の専門誌「ミューテイション・リサーチ」に発表されたもの。

本研究グループは、ヒト染色体に紫外線を照射し、染色体中のＤＮＡを損傷させた後、これを照射していないマウスの細胞中へ移入し、この細胞を２０日〜１か月程度分裂増殖させ、何世代にもわたり分裂を繰り返すクローン細胞株を作成した。その後、このクローン細胞内のヒトおよびマウス染色体に現れる影響を観察したところ、ヒト染色体だけでなく、照射されていないマウスの細胞に由来する染色体にも、高い頻度で異常が生じることが認められたもの。

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