再稼働訴え要望書採択 原子力国民会議 中央集会を開催

「新しい原子力を創る」を掲げ、経済界、識者らの有志により設立された「原子力国民会議」が1日、東京商工会議所ホール(東京・千代田区)で、原子力発電の再稼働や復興の加速化を訴えた全国各地団体からの要望を集約する「東京中央集会」を開催し、政府に対し、実効性あるエネルギー政策の推進、福島の革新的な復興策検討を求める要望書を採択した。

集会では、国民会議共同代表の1人である元文部大臣の有馬朗人氏(=写真)が挨拶に立ち、福島第一原子力発電所事故を受け、「世の中に完全な技術は存在しない」ことを痛感したとする一方、将来のエネルギー・環境問題に際し、「原子力なしでは立ち行かない」と力説し、安全を確保しつつ原子力を利用していく必要を訴えかけた。

また、自由民主党電力安定供給推進議員連盟幹事長・衆議院議員の塩谷立氏が講演を行い、最近の台湾やドイツの原子力開発・利用を巡る動きや、政治家の「脱原発」に関する発言などに触れながら、安易なパフォーマンスや一時的な感情にとらわれず、科学的、経済的に判断できる政治環境を整えていく必要を訴えた。さらに、世界のエネルギー情勢を展望し、先進国が途上国の四倍消費している現状から、今後、世界人口が途上国を中心に急増し、2050年には95億にも達すると危惧した上で、「原子力技術で世界に貢献するのは国際的使命」として、国民会議の今後の活動に期待をかけた。

産業界や地域からの意見表明を受けて、採択された要望書では、安全の確認された原子力発電所の早期再稼働、地元の理解獲得の他、経済再生と国民負担軽減のため、運転再開に応じた電気料金の値下げや、40年運転制限制の撤廃、高レベル放射性廃棄物処分場の立地確定などに努めるべきとしている。

また、集会では、5月21日の福井地方裁判所による大飯発電所3、4号機運転差止判決に関し、「安全性向上対策についての国民への説明が浸透していなかった」と専門家集団として自らを省みた上で、国会に置かれた原子力問題調査特別委員会による規制当局への適切な指導などを求める声明も合わせて採択した。


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