新設計画で「原則決定」を補足 フィンランド

フィンランドの雇用経済省(TEM)は2日、ハンヒキビ原子力発電所建設計画の「原則決定(DIP)」を補足する改定版の環境影響評価(EIA)報告書について見解を表明するとともに、DIPの補足申請を8月に予定されている政府審議に回すとの考えを示した。

TEMはEIAにおけるいくつかの不明点を追加で説明するよう事業者のフェンノボイマ社に通達。同社は原発からの温排水が植物相や動物相といった環境に及ぼす影響についてさらなる調査を実施し、遅くとも来年6月末までに結果を提出しなければならない。

同計画に関するDIPは4年前に政府と議会が承認したが、その後、フェンノボイマ社は設計原子炉の出力を120万kWに変更。最終的な受注企業であるロスアトム社が当初のDIP申請書に候補として記載されていなかったことなどから、今年2月に改定版のEIAをTEMに提出していた。

また、フィンランド放射線・原子力安全庁(STUK)は5月23日、同計画の予備的な安全評価報告書をTEMに提出した。同報告書は、安全性に関するDIPの変更部分を補足する内容。同原発は安全に建設され得るとの見解を示す一方で、60もの電力多消費企業が共同所有するフェンノボイマ社に対しては、新設炉の安全性を評価・保証できるような組織体制と管理システムの構築が必要だと指摘した。

想定設計の変更については、建設計画の進展のみならず、同社の組織体制や財源、運営面での展開にも大きく影響したと評価。規制当局に提出する包括的な文書の作成能力、要件を満たした設計の管理能力などに疑問を呈した。同社はDIPの有効期限である15年6月までに建設許可を申請する必要があるが、STUKは許認可手続きで次の段階に進む前に、同社が速やかに専門的知見と行動力を備えねばならないと言明している。


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