原災避難時間推計結果公表 島根・鳥取

島根県と鳥取県は5月30日、原子力災害発生時の住民避難時間の推計を公表した。島根原子力発電所での事故を想定し、サイトからの距離に応じて段階的に避難する場合と、一斉に非難する場合に大別し、季節・時間帯、自家用車の乗り合わせ、観光客の早期誘導などの条件を設定した全23パターンについて、避難時間に関するシミュレーションを実施したもの。

それによると、プラントから概ね5km圏内(PAZ)の人口が約1万人、同約30km圏内(UPZ)の人口が約46万人といった前提で、最初の避難指示からPAZ圏内すべての車両が圏外に出るまでの「5km圏退避時間」は、段階的避難で2時間30分だったが、一方で、一斉避難では10時間と、両者に大きな差が生じた。さらに、段階的避難では、自家用車の乗り合わせなどの対策を施すと、1時間55分に短縮した。

また、最初の避難指示から30km圏内のすべての車両が圏外に出るまでの「避難完了時間」では、段階的避難で27時間50分、一斉避難で21時間45分など、ほぼ1日で30km圏域からの避難は可能とのシミュレーション結果となった。特別な状況設定では、出雲大社への参拝客が増加する初詣時を想定した場合、「避難完了時間」は、32時間20分に伸長した。


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