3基目のアトーチャ2が初臨界 アルゼンチン

アルゼンチンで原子力開発を担当する計画投資サービス省は3日、同国で3基目の原子炉となるアトーチャ原子力発電所2号機が初臨界を達成したと発表した。今後は出力レベルごとに機器システムの性能確証試験を実施し、商業運転の開始を目指す。

首都ブエノスアイレスから115kmの地点に立地する同炉は、独シーメンス社が設計した出力74.5万kWの加圧重水炉。1982年に着工したが、資金難により94年から06年まで建設作業が中断した。しかし、03年にC.フェルナンデス現大統領の夫であるN.キルチネル前大統領は国家的な原子力開発計画の推進を提唱。作業が再開されたという経緯に基づき、同炉の呼称は5月29日付けで「N.キルチネル原発」に改められた。また、これに伴い1号機(加圧重水炉、35.7万kW)も、前世紀に現政権の与党を率いて大統領選に3回当選したJ.ペロン氏の名が付けられることになった。

2号機の初臨界達成後、事業者の国営原子力発電会社(NA―SA)の社長に伴われて計画省のJ.デビド大臣が同発電所を視察。発電所スタッフの労をねぎらうとともに、建設作業が重要な節目を迎えたことは国家的なプロジェクトが成熟の域に達したことを意味するとコメントした。


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