小型パルス線源を開発 産総研 非破壊検査むけに長寿命

産業総合技術研究所は3日、プラント配管設置場所などの狭あいな場所でも利用できる小型軽量な非破壊検査用パルス線源を開発したと発表した(=写真)。新たに開発したX線管により、従来に比べ10倍の長寿命化も実現し、ロボットへの搭載により、移動しながらの効率的な検査が可能となり、高度成長期に建設された化学プラントや発電所の配管密集部の腐食や減肉などの検査に際し、現場作業性の向上に貢献することが期待される。

このほど、産総研と共同で開発に当たったのは、地域の事業創造支援活動を行うライフ技研と、非破壊検査装置の開発を行うつくばテクノロジーで、そのうち、ライフ技研は、瞬間的にキロワットオーダーの強いX線を発生できる針葉樹型カーボンナノ構造体電子源を用いたX線源の開発に係り今回の成果につなげた。これまでの開発実績をもとに、X線管の形状を小型でも高電圧を加えられるよう最適化し、厚さ70mm以下、重さ2.5kg以下の小型軽量化が実現し、これまで検査が難しかった狭あいな場所でも、バルブの開閉状態や保温材付配管の腐食状況などが確認できるようになった。

さらに、このX線源は、電気シェーバー内で動く刃のような高速の現象をスローモーションで撮影することも可能だ。


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