原子力10社の取組が出そろう 関西・九州電力 自主的安全性向上の施策発表

九州電力と関西電力は、それぞれ18日、20日、リスクマネジメントの充実・強化を中心とする原子力の安全性向上の取組を発表した。事業者による自主的かつ継続的な原子力の安全性向上について検討する経済産業省ワーキンググループの提言を踏まえ、各社の施策をまとめたもの。13日までに発表のあった他の事業者と合わせ、これで、原子力発電所を有する10社の安全性向上策が出そろった。

関西電力では、まず、福島第一原子力発電所事故の教訓と合わせ、04年8月の美浜3号機事故を原点とした安全最優先の事業活動を振り返った上で、(1)原子力安全に係る理念の明文化と共有(2)リスクマネジメントの充実(3)原子力事業本部における安全性向上に向けた基盤整備(4)安全文化の発展――を今後の取組としてあげている。特に、リスクマネジメント関連では、事故時対応能力の向上・体制の充実として、重大事故時に発電所長に対策を進言できる「原子力安全システム全体を俯瞰する人材」の計画的育成や、安全性向上に係る取組を一元的に推進するため、新たに設置する「原子力安全部門」へのこれら人材の配置を行うとしている。

また、九州電力では、経営層全員が多様な視点で議論を深めるための「社内リスクコミュニケーション会議」を通じ、リスクマネジメントを強化するほか、PRA手法の実施・管理を行う専任部署を設置し、定量化されたリスク情報を活用して、プラントの脆弱点抽出や、効果的な安全対策の検討を図っていく。


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