「相談員制度」で意見交換 規制委 帰還への考え方踏まえ

原子力規制委員会の避難住民の帰還に関する検討チーム会合が3日開かれ、帰還の選択をする住民の放射線不安などに応えるための「相談員制度」について、行政庁や地元自治体らと意見交換を行った。11月に同委が決定した「帰還に向けた安全・安心対策に関する基本的考え方」での提言を踏まえたもの。

検討チーム会合ではまず、内閣府の原子力被災者生活支援チームが制度設計の考え方を説明し、その中で、実際、自治体レベルで行われている健康相談会、情報誌発行、保健師訪問などの事例と、これらに対する地元からの声が紹介され、「地域ごとに住民とともに住民の自発的な活動を支援することが重要」なことを示した。

また、環境省は、いわき市内に開所した「放射線リスクコミュニケーション相談員支援センター」の取組を紹介した。

自治体からの意見では、福島市が、これまでの交付金による事業について説明した上で、相談員制度の活用に当たって、(1)具体的役割の明確化(2)放射線関連相談対応の困難さ(3)関係機関との連携――などを課題としてあげた。

この他、伊達市は、発災から既に3年を経て、「4、5歳の子どもにとってはもう避難先が故郷となっており、帰還するのがストレス」などと述べ、放射線に対する不安だけでなく、へきえき感を解消するよう柔軟な制度設計を求めた。また、川俣町は、営農再開の動きに触れながら、農業関係OBの相談員起用を提案するなどした。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで