初の審査書案とりまとめ 規制委、適合性を確認 申請から約1年で 九州電・川内1、2号機

原子力規制委員会は16日、九州電力川内原子力発電所1、2号機(PWR、各89万KW=写真)の新規制基準への適合性を確認する審査で、原子炉設置変更許可申請に対する審査書案を取りまとめた。13年7月の原子力発電所の新規制基準施行から丸1年が経過し、現在までに、計九社19基のプラントについて適合性審査の申請が出ているが、審査書案がまとまるのは初めてのことで、今回、川内1、2号機に関して、原子炉等規制法上、平和目的が担保され、必要な経理的基礎と技術的能力のあること、災害防止上支障がないことが確認されたとしている。

審査書案は、原子炉等規制法の原子力発電所設置許可基準に関する条文中、第1〜4号に定める事項のうち、第1号の平和目的、第2号の経理的基礎に係るものを除く新規制基準の適合性を確認する部分について、技術的能力、設計基準対象施設、重大事故対処に大別し、規制委による審査結果を整理しており、審査中に再検討を求めた内容に対する事業者側の反映状況や、自主的対策も記載している。例えば、火山影響に対する設計方針の項目中、火砕流の影響に関する審査の過程で、火山活動のモニタリング計画を充実させたことなどが述べられている。

審査書案は今後、7月17日〜8月15日まで、科学的・技術的意見の募集を行うほか、法令上、原子力委員会と経済産業相に意見を求める。

九州電力は、新規制基準施行当日の13年7月8日に申請。その後、優先的に進めるプラントとして位置付けられ、申請から1年経ちようやく審査書案の取りまとめに至った。16日、会見した田中規制委員長は、関西電力の高浜3、4号機が次の優先審査対象になる可能性にふれた。また、九州電力の玄海3、4号機についても「相当煮詰まった」とし、審査書案の作成段階に近いとの印象を述べた。


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