依存低減の地元影響大きく 原子力小委課題を議論 自治体の施策困難とも

総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会(委員長=安井至・製品評価技術基盤機構理事長)は23日、原子力の依存度低減に向けた課題について議論した。

資源エネルギー庁は、前回会合までに整理した原子力依存度低減に伴う廃炉・放射性廃棄物処分、40年運転制限性などの課題に加え、立地地域の経済・雇用への影響を掲げた。例えば、敦賀市と美浜町について行ったモデル調査では、長期運転停止に伴う立地地域以外からの流入労働人口の減少で12年度の宿泊、飲食、交通の分野は、10年度比で5.8億円減、さらに、停止が継続し安全対策工事もなくなったと仮定すると、検査・保守などのサービス業が同95億円減にも及ぶと試算。小規模事業者が多く、原子力発電所と共存する産業構造から、地域経済への影響は大都市に比べて大きいとした。

これに対し、立地地域を代表して出席した河瀬一治敦賀市長(全国原子力発電所所在市町村協議会会長)は、経済影響の他、使用済み燃料の取扱い、廃炉事業の経済効果も課題にあげ、自治体独自での施策は極めて困難として、国の全面的なバックアップが不可欠となることを主張した。

事業者として出席した関西電力副社長の豊松秀己氏は、原子力発電所の廃止措置に伴う使用済み燃料搬出先の確保、放射性廃棄物処分、財務・事業運営とともに、原子力依存度が進展した場合の課題として、技術・人材維持、原子燃料サイクル事業、立地地域との関係への影響をあげた。


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